高輪会が求める人材
訪問歯科は、対象となる患者様が高齢者ですから、お年寄りにやさしいことが何より重要です。点数がいいから、儲かるからという感覚では、事務処理的な気持ちが入っていない治療になってしまいます。患者様の立場に立って診療をする気持ちがある人。たとえ困難な状況になっても、簡単にそこから逃げ出さず、なんとかしようとする心構えのある人を求めています。
高輪会で働く歯科医師には、訪問の専門家になってもらいたいと思っています。ですから、そのために必要な知識と技術を身に付けてほしいと思います。将来開業した時にも、その経験や知識は必ず役に立ちます。またそこで訪問歯科を始めてもらえれば、それが地域貢献にもなります。そうした広がりも期待していますので、訪問について前向きに勉強してくれる先生を望みます。
また訪問歯科においては、歯科衛生士の存在が非常に重要です。多くの場合、歯科医師より歯科衛生士の方が患者様と接する時間が長いですから、やはり学術的・技術的な最先端の勉強に取り組んでほしいと思います。
介護の現場では、外来でケアする場合とは違う対応力が求められます。認知症の方は、怒ったり、拒否したり、いろいろなケースがあり、小児歯科と似ている部分があります。2~3歳の子供が歯科医院に来ると、泣いたり話もできなかったりすることが多々ありますが、それを抑えつけて無理に治療するようなやり方は、決して望ましくありません。まずは、その子から信頼されることが大切です。
高齢者も同じで、口を開いてもらうには、まずは心を開いてもらうことですから、コミュニケーション能力は非常に重要です。